一口に和菓子といっても、生菓子、上生菓子など、違いがあることを意識していませんでした。
上生菓子と生菓子の違いって何だろう?と思ったきっかけは江戸時代を背景とした和菓子職人の小説です。
上生菓子にはどんなものがあるの?と、和菓子について調べたことを紹介します。
上生菓子とは?生菓子との違いは?
「日本橋牡丹堂 菓子ばなし」という小説で和菓子に興味を持ちました。
この小説は、江戸時代に和菓子職人を目指す少女が日本橋に菓子見習いに行くお話です。
この小説では牡丹堂の人がよくお客さんに上生菓子を勧めています。
特別な日の和菓子ですが、上生菓子とはどんなもので、生菓子との違いはあるのでしょうか。
和菓子の一種、上生菓子(じょうなまがし)は、特にこだわりを持って作られた高級な生菓子を言います。
原材料には厳選されたものが用いられ、職人の手作業によって丁寧に作られます。
確かに、小説に出てくる牡丹堂でも、原材料の小豆にこだわっていました。
上生菓子の特徴は、季節の変化や自然の美しさを表現します。
草花や自然をモチーフにすることが多くあります。
そういえば、牡丹堂でもお菓子の新作を考える時に草花や自然をモチーフにしていましたね。
上生菓子は見た目も美しくて、日本の四季を感じさせる和菓子です。
また、見た目がキレイなだけでなく、味もとても洗練されていて、日本茶との相性も抜群です。
小説の中では茶席に出すお菓子が出てきますが、季節限定の特別な上生菓子を作っていました。
新作のお菓子ができると「菓銘(かめい)」と呼ばれる名前を付けていたのも印象的でした。
牡丹堂のおかみさんは和歌にも精通していました。
そのため、和菓子の菓銘にも和歌をヒントにしていました。
季節感を表すには和歌がピッタリだったのですね。
和菓子はお饅頭や羊羹など、日本の伝統的なお菓子全般を指します。
その和菓子の中でも水分量が30%以上のものを生菓子と呼びます。
上生菓子は、その中でも特に製法にこだわったものになります。
上生菓子の種類はどのようなものがある?
上生菓子の種類はざっと、このようなものがあります。
練り切り
この練り切りも牡丹堂の職人さんたちがよく作っていました。
練り切りは、白あんに砂糖や山芋などを加えて練り上げた和菓子です。
白あんは、白いんげんや白あずきから作られるあんこです。
味の特徴は上品であっさりしています。
練り切りは程よい柔らかさと粘り気があることから、細工がしやすいとされています。
色も白いので着色がしやすいため、牡丹堂の職人さんはイメージ通りの絵を描き上生菓子を作っていました。
練り切りだけで上生菓子を作ることもあれば、中に別のあんを入れた上生菓子を作ることもあります。
求肥
求肥、「ぎゅうひ」と読みます。
求肥は和菓子の材料で、白玉粉などの餅粉に砂糖や水飴を加えて練ったものです。
砂糖や水飴が多く使われるので、練り切りより甘みが強くなります。
「羽二重餅(はぶたえもち)」は求肥だけを使っています。
白くて柔らかいため、上生菓子として使われることがあります。
薯蕷饅頭(じょうよ まんじゅう)
この薯蕷饅頭も牡丹堂で作っていました。
薯蕷とは山芋の別名で、山芋をすりおろしたものです。
薯蕷饅頭は、上用粉や上新粉に、このすりおろした山芋を混ぜて生地を作ります。
山芋を加えて蒸すと皮がふんわりふくらみます。
想像しただけでも口当たりしっとり、美味しそうですね
思えば、小説の中でも山芋をすりおろしていましたね。
生地にあんを入れて蒸し上げるので、普通のおまんじゅうよりもしっとりとした食感だと言われています。
上生菓子と生菓子の違い、上生菓子の種類まとめ
上生菓子と生菓子の違いと、上生菓子の種類についてまとめました。
上生菓子は、原材料にこだわって、季節の変化や自然の美しさを表現した和菓子です。
生菓子とは水分量30%以上の和菓子のことだとわかりました。
江戸時代を背景にした和菓子職人のお話で、ちょくちょく出てくる上生菓子や羊羹など。
現代のケーキ屋さんのように、江戸の時代でも季節のイベントには和菓子が欠かせないものでした。
日本橋の牡丹堂に菓子修行に出た少女は、今で言えば、パティシエを目指してパリに菓子修行に行くといったところでしょうか。
この小説に感化されて、私のお茶のお供は羊羹やお饅頭が並ぶ日々でした。