おはぎはいつからある?ぼたもちとの違いと名前の由来、食べる季節

おはぎの画像
  • URLをコピーしました!

「おはぎ」と「ぼたもち」は似た食べ物ですが、違いがあるってこと知ってましたか?
どちらも小豆をたくさん使った食べ物ですが、名前の由来や食べる季節の違いがありました。
なぜ「おはぎ」と「ぼたもち」が食べられるようになったのか、歴史を調べてみました。

目次

おはぎはいつからあるの?おはぎの歴史

「おはぎ」がいつからあるかは諸説様々あります。
誕生したのは奈良時代、という説までありますよ。
明確ではありませんが、奈良時代には既にあったとされています。

これは奈良時代の文献「日本書紀」に書かれているものです。
「小豆の粉をもち米に混ぜて蒸す。薄皮を向き塩を加え包む。」とあります。
どうやら、これがおはぎの原型になったようですね。

この時代ではお砂糖は高価なものとなっています。
そのため、お砂糖の代わりに塩餡で作られていたとか。
ということは、甘い食べ物ではなかったのですね。

では、おはぎがいつから甘い食べ物になったのでしょう?
それは江戸時代とも言われています。
江戸時代の後期にもなると、庶民にもお砂糖が手に入るようになりました。
この頃にやっと今でいう甘いおはぎになったのですね。

とはいえ、まだまだ庶民の間ではお砂糖は高価なものでした。
なので、おはぎは庶民にとってぜいたく品とも言えました。

おはぎの歴史 なぜお彼岸に食べる?

おはぎがお彼岸に食べられるようになったのは何故でしょう。
その理由は小豆の見た目の「赤」です。

小豆は元々、中国から漢方薬として日本に入ってきたものです。
日本では古代から赤い色には魔除けの効果があるとされていました。
そこで赤い色、つまり小豆をたっぷり使用して「おはぎ」が作られるようになりました。
こうして、邪気を払う赤い色の食べ物「おはぎ」をご先祖様にお供えしたのですね。

ご先祖様にお供えする時、手を合わせますね。
もち米とあんこを「合わせる」という語呂合わせもあったようですよ。
お米は五穀豊穣を祈る意味もあって使われたとされています。

おはぎはお彼岸の時期に先祖供養としてお供えされます。
お彼岸は春分の日と秋分の日の前後7日間です。
このお彼岸の時期にお供えされる意味は、お彼岸は収穫の時期であって豊穣を願うお供えものがおはぎでした。

よくお彼岸の時期に親戚で集まった時、おはぎを皆で食べますよね。
これは先祖との絆を深め、家族が集まって食事することで精神的な結びつきを強めようと言う意味もあります。

おはぎの名前の由来、ぼた餅との違いは?

「おはぎ」と「ぼたもち」は小豆を使った似たような食べ物ですが、何が違うのでしょうか。
「おはぎ」と言う名の由来は秋に咲く花、萩の花から来ています。
小豆の赤と細長い萩の花が似ているからなのでしょうね。

「ぼたもち」の由来は、春に咲く牡丹(ぼたん)の花の名前から来ています。
それで、春のお彼岸には「ぼたもち」と呼ばれます。

ぼたもちやおはぎに使われる小豆の収穫は秋です。
そのため、おはぎは収穫したばかりのやわらかい小豆を使って粒あんで作られます。
一方、ぼたもちは、小豆の収穫から時間が経っていて硬くなっていることから、皮を除き、こしあんで作られます。

そしてサイズは、「おはぎ」は小さく、「ぼたもち」は大きく作ります。
確かに、ぼたもちはその名前からも大き目なのが連想されますね。

このほかにも、おはぎはうるち米で、ぼたもちはもち米を使うという違いがあるとも言われています。

おはぎの種類 地域ごとのおはぎ、ぼたもち


おはぎと言えばあんこで包んだものが一般的ですね。
きなこをまぶしたおはぎを食べることもありますね。
実はあんこときなこ以外にも、おはぎの種類はたくさんあります。

江戸時代以降はお砂糖が手に入るようになりました。
そして様々な種類のおはぎが作られるようになったのです。

日本全国には、地域ごとの特色を生かしてアレンジしたバリエーション豊かなおはぎ、ぼたもちがあります。
特に個性的で美味しいおはぎとぼたもちを紹介します。

黒ごま

東日本では黒ゴマのおはぎがあります。
これはあんこを包んだもち米に黒ゴマがまぶされています。
関東では濃い味が好まれますので、風味、油気の強いゴマが好まれたのでしょう。

富山県南砺市の「いもがいもち」

いもがいもちは、特産の里芋を使用し、もち米を少量で済ませるような工夫がされています。
昭和初期まで農家のお昼ご飯に食べられていました。
貧しかった当時は里芋のくずとお米のくず米をすりつぶして食べていたと伝えられています。
もち米を使わないので、冷めても美味しいと、なかなかの評判ですよ。

きなこ

きなこおはぎは、特に関西地方の農村部で好まれています。
豊作を祈願する稲穂の象徴、きなこで作る、伝統的な美味しさのおはぎです。
もち米だけだと冷めた時かたくなるので、お米を混ぜて炊くことが多いです。
香ばしいきなこをまぶして、あんことは違った美味しさがあります。

ずんだ

東北地方で人気の「ずんだおはぎ」。
ずんだとは、茹でた枝豆をつぶして甘く味付けしたあんのことです。

青のり

西日本でよく見られる「青のり」のおはぎ。
これは、あんこを包んだもち米に青のりをまぶしたものです。
関西では薄味が好まれるため、青のりが使われるようになりました。
緑色というのも人気の理由なのでしょう。

その他の種類 納豆、くるみ

上記の他にも「納豆ぼたもち」、長野県や岩手県で愛されている「くるみおはぎ」もあります。

納豆ぼたもち、納豆おはぎは宮城県で作られているようです。
納豆=茨城と言うイメージでしたが、宮城県とは意外でした。

くるみおはぎは、地元産のくるみをたっぷりと使用し、甘じょっぱい風味が魅力です。
くるみおはぎは食べてみたいです。

おはぎの歴史、ぼたもちとの違いと名前の由来、食べる季節まとめ

伝統的な日本の和菓子「おはぎ」と「ぼたもち」。
どちらも小豆をたっぷり使った和菓子ですが、その名前の由来や食べる季節に違いがありました。
これまで明確に分けて使っていませんでしたが、歴史を知ると興味深いものがありますね。




よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

多摩地区在住、食べることが大好きなアラカンのかまどです。
おうちグルメと暮らしを綴ったブログです。
お取り寄せで美味しかったものや、外食して良かったお店など、記録に残しておきたいと思います。
好きなお店は、福島屋本店、こだわりや、ビオセボン。

目次